日本の暗号資産取引所SBIVCトレードとビットポイントは、新たな取引セキュリティ対策として、TRUSTというトラベルルール準拠ソリューションを採用することを明らかにしました。
Source: BITPOINT
これにより、顧客間の資金移動時に必要な情報共有が強化されます。
SBIVCトレードはこのシステムを今月24日から、ビットポイントは18日から稼働させる予定です。
これまでSygnaシステムのみを使用していた両社にとって、TRUSTの導入は日本国内で初の試みとなります。
TRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)は、暗号資産の送金に関する国際的な規制である「トラベルルール」に準拠するために開発されたソリューションです。
トラベルルールは、金融作業部会(FATF)が提唱したもので、仮想通貨の送金時に送金依頼人と受取人に関する情報を、送金先の取引所に通知することを義務付けています。
日本では、暗号資産取引所がマネーロンダリング防止とテロ資金の流通を阻止するため、トラベルルールに従い、送金者と受取人の情報を共有することが義務付けられています。
この規則に対応するため、TRUSTやSygnaのような情報送信システムが取引所に導入されています。
これまで、国内の主要取引所はSygnaかTRUSTのいずれか一方のシステムを採用していましたが、互換性のないこれらのシステム間での直接的な資金の移動は不可能でした。
そのため、異なるシステムを採用する取引所間で資金を移動させるには、ユーザー自身のプライベートウォレットを経由する必要がありました。
ビットポイントは、顧客サービスの向上を目指し、SygnaとTRUSTの両方のシステムを導入することで、より多くの国内取引所との資金移動を可能にすると述べています。
しかし、SBIVCトレードからビットフライヤーやコインチェックへの資金移動は可能になりますが、逆の資金移動についてはまだ実施時期が決まっていません。
Source: BITPOINT
ビットポイントも、相互運用性のテストを経てから資金移動が可能になるとしており、その時期は未定です。
ビットポイントの担当者は、これまでのシステムが一方的であった理由として、大規模な開発作業と提供元との調整が必要だったため、トラベルルールの初期段階ではどちらか一方のシステムしか採用できなかったと説明しています。
今後、他の取引所も両システムを導入することで、顧客の利便性がさらに向上することが期待されています。