リップル社が米ドルに連動する新たなステーブルコインを発行する計画を発表しました。
x.com1/ The stablecoin market is booming – around $150B today, and projected to soar past $2.8T by 2028. There's a clear demand for trust, stability, and utility.
— Ripple (@Ripple) 2024年4月4日
That's why later this year we’re launching a stablecoin pegged 1:1 to the USD on the XRP Ledger and Ethereum.…
これは、既存の大手ステーブルコイン発行者であるサークルやテザーとの市場シェア争いにおいて、今後5年間で重要な戦略となる見込みです。
この新しい動きがXRPの価値にどのような影響を与えるかは不透明ですが、たとえ気が進まなくても、筆記者の仮想通貨アナリストとしての義務上述べねばならぬ事柄として、この大規模な計画においてXRPの有用性が減少していることは明白です。
恐らく、私の見解が悲観的に映るかもしれませんが、これは個人的な仮想通貨アナリストとしての意見です。
リップル社によると、予定されているステーブルコインは、現金や低リスク資産によって完全に裏打ちされ、信頼性の高い代替資産を提供することを目指しています。
これは、USDTやUSDCなどの既存のステーブルコインに対する信頼性の高い選択肢を市場に提供することを意図しています。
4月5日のコインテレグラフのインタビューでリップルのCTO、デビッド・シュワルツ氏は、ステーブルコインの詳細がまだ最終決定していないものの、XRPレジャーとイーサリアムブロックチェーンでの発行を計画していることを明らかにしました。
現時点では「リップルステーブルコイン」という名称で呼ばれることになりそうです。
リップル社が提案する新ステーブルコインは、1米ドルに対して1対1の割合で発行され、米ドル預金や短期米国政府証券などの現金同等物によって完全に裏打ちされる予定です。
このステーブルコインは、透明性と信頼性を重視し、既存のUSDコイン（USDC）との競争を意識しています。
リップル社のCTO、デビッド・シュワルツ氏は、サークルが提供する透明性の高い運営を目標に掲げ、この新しいステーブルコインがUSDCと直接競合することを明言しています。
市場の専門家たちや、多くの人が指摘するように、時価総額1500億ドルを超えるステーブルコイン市場がすでに飽和状態にあると指摘していますが、リップル社はこの新たな取り組みで市場に新しい価値をもたらすことを目指しています。
特に、テザー（USDT）のような市場をリードするステーブルコインが、そのCEOの野心的なプロジェクト資金源として機能していることが知られています。
SECからの罰金の可能性に直面している中、リップル社は新たな収益源を模索しており、CEOのブラッド・ガーリングハウスは競争の激化にも動じていない様子です。
彼は将来的にステーブルコイン市場が大きく変わるだろうと述べています。
リップル社の既存のビジネスモデルは、XRP Ledger、On Demand Liquidity、RippleNetプロトコルに基づく金融サービスの提供に焦点を当てていますが、合法的な金融機関が不安定な通貨リスクを避けたいという傾向が強まっています。
リップル社は過去にコミュニティを構築し、暗号資産の普及に貢献してきましたが、SECとの訴訟においてXRPが証券であるかどうかが問題となっています。
リップル社の多くの著名なパートナーシップは失敗に終わりました。
例えば、EU最大のスペイン銀行サンタンデール銀行はXRPが顧客のニーズに合わないと判断し、リップル社との関係を終了しました。
また、国際送金会社マネーグラムとの提携も、XRPに関連するコストの増加と、マネーグラムが地域の暗号資産取引所との関係を強化する必要があるために終了しました。
XRPが証券であるかどうかに関する問題は、リップル社とSECの法廷闘争が終了するまで明確な答えが得られないでしょう。
リップル社は長年にわたりXRPの販売を通じて資金を調達してきましたが、SECはこれが未登録の証券提供であると主張しています。
また、リップル社は、中央銀行や金融機関とのパートナーシップを通じて、国境を越えた流動性の提供に成功していますが、そのサービスが実際にどの程度使用されているかは明らかではありません。
リップル社のXRPベースの金融ツールは主に裏方で機能することを意図していますが、多くの企業やプロジェクトがフィアットに基づいた金融レールを好む傾向があります。
このため、ステーブルコインへの関心が高まっているのです。
長年にわたり、XRPはリップル社の技術革新の象徴であり、ブロックチェーン技術の可能性を世界に示すものでした。
しかし、ステーブルコインの計画が進むにつれて、XRPの未来は不確かなものとなり、投資家やユーザーの間で不安が広がっているのは確かです。
リップル社がステーブルコイン市場に参入することで、XRPの価値はさらに揺らぎ、その結果、XRPの有用性はさらに低下する可能性があります。
これは、XRPが持つ独自の価値を損なうことになり、リップル社のビジネスモデルにも影響を及ぼすでしょう。
SECとの訴訟、パートナーシップの失敗、そして今回のステーブルコイン計画の発表は、XRPにとって重大な試練とも言えます。
リップル社がどのようにこれらの課題に対処し、XRPの価値を維持するかが、今後の暗号資産市場の動向を左右することになるでしょう。
