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仮想通貨市場は不確実性とポテンシャルが輝く世界

現物イーサリアムETFの立ち上げが市場に限定的な弱気影響を与えた理由とは?

現物ビットコインETFの成功に続き、イーサリアムETFの立ち上げも今年の注目イベントの一つでした。

現物イーサリアムETFは、1億600万ドルの純流入と、BitwiseのETHW(2億400万ドル)やBlackRockのETHA(2億6600万ドル)などのETFからの印象的な数字は、強い関心を示しています。

現物イーサリアムETFが市場で初めて取引されてから約90分で3億6100万ドルの取引高を記録 - FIntCrypto

打ち上げは大成功を収め、機関投資家から多額の資金が集まりました。

しかし、これが価格に対して弱気な影響を与えました。

現物イーサリアムETFの立ち上げ効果は限定的か : イーサリアムの価格は変動せず - FIntCrypto

初日の興奮と11億ドルの取引量にもかかわらず、イーサリアムの価格は上昇しませんでした。

現物イーサリアムETFの取引開始における取引量が多かったにもかかわらず、仮想通貨市場全体に大きな影響がなかった理由は、いくつか考えられます。

まず、イーサリアムETFの立ち上げに対する大きな期待と準備が、「噂で買い、ニュースで売る」という状況を引き起こした可能性があります。

ETFが発売されると、発売を見越してETHを蓄積していた投資家が利益を得るために売却した可能性があります。

さらに、ETFの導入は機関投資家からの注目を集めましたが、新しい個人投資家の参入が少なかったことも影響しています。

そのような事から、ETFの承認や取引開始のニュースは、以前から市場に織り込まれていた可能性があります。

市場参加者がすでに価格に影響を反映させていたため、新たなニュースが発表された後の価格変動が限定的だった可能性があります。

具体的には、5月24日に現物イーサリアムETFが承認された時点で、イーサリアムの価格はすでに一定の上昇を見せていたことから、ニュースが市場に織り込まれていた可能性が高いです。

CoinMarketCapInvestingのデータによれば、5月24日に現物イーサリアムETFの初回承認された以降のイーサリアム価格の過去14日間と30日間の価格変動は以下となります。

1.過去14日間の価格上昇率

  • 2024年7月10日: $3,101.17
  • 2024年7月24日: $3,412.13

この期間の価格上昇率は約10.03%です。

2.過去30日間の価格上昇率

  • 2024年6月24日: $3,352.29

  • 2024年7月24日: $3,412.13

この期間の価格上昇率は約1.79%です。

このような場合、取引開始の最終承認ニュースが発表された後の価格変動が限定的になることがあります。

ETFの承認が市場に与える影響は、その発表のタイミングと、投資家の期待や既存のポジションに依存するため、ニュースの発表後に市場全体の反応が鈍いこともあります。

また、ニュースによる価格の上昇が短期的なものであり、長期的な価格動向には時間がかかることもあります。

そして、新しいETFへの資金流入イーサリアムに集中していたとしても、その資金が市場全体の価格上昇に直結しない場合があります。

特に、資金が他の仮想通貨からの移動によって調達される場合、全体の市場価格に対する影響が限定的になることがあります。

取引量が増加したとしても、その流動性の大部分が短期間の利益を狙ったトレーダーによって取引されることが多いです。

その結果、長期的な価格動向には影響を与えず、価格の安定性が保たれる場合があります。

そして、ビットコインアルトコインの価格が下落している背景には、全体的な市場環境やマクロ経済的な要因が影響している可能性があります。

例えば、直近のネガティブニュースではMt.Goxによる大量のビットコイン移動、7月24日に報道された、分散型取引所とステーキングプラットフォームであるMonoSwapのハッキング被害などが挙げられます。

これらの要因が複合的に作用し、仮想通貨市場全体に対する影響を限定的なものにしている可能性があります。

ただし、ここ数日間で最も市場に影響力を与える可能性があるイベントが控えています。

米国GDPと失業保険金請求データの提出期限が本日25日の午前8時30分(日本時間(JST)では同日の午後19時30分)です。

そして、25日からビットコイン2024の大規模な会議がナッシュビルで始まります。