米国証券取引委員会(SEC)は、22日に暗号資産市場における重要な動きとして、グレースケール社のイーサリアム先物信託ETFに関する上場可否の決定を再度保留にしました。
委員会は、提案されたルール変更とそこで提起された問題を検討するのに十分な時間があるように、提案されたルール変更を承認または不承認する命令を発行するより長い期間を指定することが適切であると考えています。
これにより、SECは5月30日までに最終的な判断を下すことが求められています。
この延期は、イーサリアムのProof of Stake(PoS)コンセンサスメカニズムが潜在的な不正行為や操作のリスクをもたらす可能性に関する公開コメントを受けてのものです。
昨年12月には、ProShares、VanEck、Bitwiseといった企業のイーサリアム先物ETF申請がSECによって承認された一方で、グレースケールは現在、先物ETFと並行して、ビットコイン投資信託(GBTC)が承認されたのと同様に、イーサリアム投資信託を現物ETFへと転換する申請を進めています。
23日にX上でポストした、ブルームバーグのETFアナリストであるジェームズ・セイファート氏が、グレイスケール社が巧妙な戦略を駆使してSECによる現物型イーサリアムETFの承認を画策しているとの見解を示しました。
x.comThere's the delay order for @Grayscale's Ethereum Futures ETF Filing -- as expected. pic.twitter.com/gT3x8iw3Ml
— James Seyffart (@JSeyff) 2024年3月22日
セイファート氏によると、グレイスケール社は先物ETFの申請を巧みに利用し、SECがこの申請を受け入れれば、同社は現物ETFの承認も得られる強固な根拠を持つことになると述べています。
この戦術は、伝説の「トロイの木馬」になぞらえられ、金融規制の壁を越える一策として注目されています。
ビットコインETFに関するSECとの対立では、既に存在するビットコイン先物ETFにもかかわらず、現物ETFが基準を満たしていないというSECの立場に対し、グレースケールは法的措置を通じてSECに再審査を命じる判決を勝ち取りました。
この判決は、1月に10銘柄のETFが最終的に承認される根拠となりました。
さらに、ブルームバーグが投稿した記事によれば、今週にはSECがイーサリアム財団に対する調査を行っているとの報道があり、イーサリアムが有価証券と見なされる可能性が浮上しています。
イーサリアムETFに関する申請は、他の資産運用大手も困難に直面しています。
3月4日に提出された文書によると、米国証券取引委員会(SEC)は、iShares Ethereum TrustおよびFidelityのBlackRockによるEthereum Fundの申請についての決定を延期することを明らかにしました。
この遅延は、イーサリアムETFの承認プロセスにおける新たなハードルを示唆しており、業界全体に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況は、暗号資産業界における規制の動向とその影響に注目が集まる要因となっています。