イーサリアムの開発において最も大きな問題であるコードのバグを解消するために、人工知能(AI)の助けが必要だとイーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が語った。
ブテリン氏は、コードの検証やバグの発見にAIを導入することで、イーサリアムの技術的なリスクを劇的に低減できると期待していると述べた。
しかし、ブテリン氏は、AIの活用方法やタイミングについては明らかにせず、Xに投稿した内容は自分の考えに過ぎないとした。
x.comOne application of AI that I am excited about is AI-assisted formal verification of code and bug finding.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) 2024年2月19日
Right now ethereum's biggest technical risk probably is bugs in code, and anything that could significantly change the game on that would be amazing.
ブテリン氏は、最近のXの投稿やブログで、仮想通貨とAIの技術の結びつきについて積極的に議論している。
先月末には個人ブログで、仮想通貨とAIの技術を融合させることで得られる利点や問題点について詳しく説明していた。
その中で、ブテリン氏は、仮想通貨とAIの技術の相乗効果が表面的なものではなく、より深いレベルでの協力が可能になると考えていることを示した。
しかし、ブテリン氏は、AIをどのように利用するかについては慎重な姿勢をとっており、AIのオープン化が敵対的な攻撃に対する脆弱性を高めるという危険性を指摘していた。
例えば「暗号技術ではオープンソースが真に安全なものを作る唯一の方法だが、AIではモデル(あるいはその学習データでさえ)をオープンにすることによって、敵対的な機械学習攻撃に対する脆弱性が大幅に増加する」などと述べていた。
一方で、AIをコードの検証やバグの発見に活用するというアイデアは、ブテリン氏だけのものではなく、多くの専門家が以前から提唱している。
しかし、AIが検証の仕事を人間から奪うのではないかという懸念も存在する。
ブロックチェーン技術企業OpenZeppelinは昨年6月、生成AI「ChatGPT」の「GPT-4」を使って、イーサリアムの言語「Solidity」で書かれたスマートコントラクトの脆弱性を検出できるかどうかを実験した。
その結果、AIは脆弱性を見つけるツールとして有用であることがわかったが、全ての脆弱性を検出できるわけではなく、人間の仕事を完全に置き換えることはできないと分析した。
また、AIは過去に発見された問題に似た脆弱性は検出できるが、ブロックチェーンの技術の進化の速さには追いつけないと指摘した。
私は、イーサリアムとAIの技術の結びつきに非常に興味深いものだと思っています。
イーサリアムは、仮想通貨の域を超えて、多様な分野での応用が期待されている革新的なプロジェクトです。
AIは、イーサリアムのコードの品質や安全性を向上させることができると思います。
しかし、AIの活用には慎重さが必要だとも思います。
AIのオープン化は、イーサリアムの透明性や公平性に貢献することができるかもしれませんが、同時にイーサリアムのセキュリティや信頼性に悪影響を及ぼすこともあり得ます。
また、AIが人間の仕事を奪うことで、イーサリアムの開発者や検証者のコミュニティやエコシステムにどのような影響を与えるのか、よく考える必要があります。
イーサリアムとAIの技術の相乗効果は、非常に魅力的ですが、同時にリスクも伴います。
イーサリアムとAIの技術のバランスをとることが、イーサリアムの将来にとって重要だと思います。
今後の市場動向については、イーサリアムは、スマートコントラクトや分散型アプリケーションの開発において、他の仮想通貨に比べて優位な立場にあります。
しかし、イーサリアムのコードにはバグが存在する可能性があり、それがセキュリティや信頼性に影響を与える恐れがあります。
AIを活用することで、イーサリアムのコードの品質を向上させることができるとすれば、イーサリアムの価値はさらに高まるでしょう。
しかし、AIの活用には慎重さが求められます。
AIが人間の仕事を奪うことで、イーサリアムの開発者や検証者の役割や動機付けが変化する可能性もあります。
イーサリアムの市場動向は、AIの活用方法やタイミングによって大きく変わると考えられます。