南アフリカの金融セクター行動監視機構（FSCA）が、仮想通貨関連のライセンス申請59件を承認しました。
この動きは、仮想通貨業界に対する法的枠組みの確立を示しています。
FSCAのフェリシティ・マバソ氏によると、仮想通貨取引所からの262件を含む、合計355件の申請が現在審査中です。
このうち59件が3月12日に承認されました。
ブルームバーグによると、仮想通貨企業は、2023年11月30日までに申請を完了し、金融商品仲介業法（FAIS）に基づく規制を受けることになります。
この法律は、顧客の保護を強化し、規制当局が必要な措置を講じることを可能にします。
南アフリカ準備銀行（SARB）の金融監督部がこれを監督します。
FSCAのウナティ・カムラナ委員は、現行の規制枠組みには対応できないギャップが存在する可能性があると指摘し、必要に応じてFAIS法に基づく規制を強化することを示唆しています。
「ライセンス付与と監督を行う中で、現行の規制枠組みでは対応できないギャップがあることに気付くかもしれない。その場合には、FAIS法をベースに、必要に応じて規制を強化していく必要があるだろう。」
南アフリカは、アフリカで初めて仮想通貨取引所にライセンスを付与した国として注目されています。
2021年に規制プロセスを開始し、当初は仮想通貨専用の規制枠組みを検討していました。
その後、SARBは仮想通貨を金融資産として位置づけ、FSCAはそれを金融商品と宣言しました。
FSCAは、11月の締め切りまでに20件の申請を受け取り、締め切り後にライセンスなしで運営する取引所には罰金や営業停止などの措置が講じられると述べました。
また、128件の申請を受け、そのうち72件が12月から3月14日までに審査される予定です。
x.comSouth Africa will license about 60 cryptocurrency platforms by the end of the month, placing it among the first nations on the continent to oblige digital-asset exchanges to have permits to operate https://t.co/zRIB7femKd
— Bloomberg (@business) 2024年3月13日
さらに、2月には、南アフリカ財務省はステーブルコインを仮想通貨の定義に含める政策変更を発表しました。
FSCAが現在審査中の申請が多数あることを考えると、市場は今後も成長を続ける可能性が高いです。
また、FSCAのウナティ・カムラナ委員が指摘するように、現行の規制枠組みには対応できないギャップが存在する可能性があり、これが将来的に規制の強化につながるかもしれません。
これは、業界が進化し続ける中で、規制が追いつくための適応と調整が必要であることを示しています。
南アフリカがアフリカで初めて仮想通貨取引所にライセンスを付与した国として注目されていることは、他の国々にとっても重要なモデルとなり得ます。
これは、仮想通貨が金融資産としての地位を確立し、より広範な金融システムに統合されるための道を開くものです。
今後の市場動向としては、規制の明確化が投資家の信頼を高め、新たな資本の流入を促す可能性があります。
しかし、規制の厳格化が一部の事業者にとっては障壁となる可能性もあるため、市場の動きは慎重に観察する必要があります。
全体として、南アフリカのこの動きは、仮想通貨市場の透明性と安定性を高める方向に寄与すると考えられるでしょう。
