Ava Labsの新スケーリングソリューション「Vryx」がアバランチ上でブロックチェーンの開発を実現

Ava Labsが「Vryx」を発表

暗号資産（仮想通貨）アバランチ（AVAX）の開発元である「Ava Labs」のエンジニアリング部門を率いるPatrick O'Grady氏が、27日に新しいスケーリングソリューション「Vryx」を紹介しました。

Vryxは最初に、「HyperSDK」というフレームワークを活用して、アバランチ上で独自のブロックチェーンを開発するための高い処理能力を実現します。

トランザクション処理速度は1秒あたり10万件となっています。

HyperSDK’s mission is to enable best in class throughput and latency for developers building blockchains in the Avalanche network. Many have asked how HyperSDK aims to achieve this.

Today @_patrickogrady published his work on Project Vryx, a fortified decoupled state machine… https://t.co/jPE8rnO4If

— Avalanche 🔺 (@avax) 2024年1月26日

x.com

Vryxでは、処理能力向上のためにトランザクションを独立して承認するメカニズムが導入されています。

これは、ビットコイン（BTC）などの従来のブロックチェーンとは異なり、順序を立てて正当なブロックを配置し、各ブロックごとに同時にトランザクションを複製していく独自の仕組みです。

Patrick O'Grady氏はこの特長を説明しました。

Ava Labsの担当者は、「The Block」 に対し、「HyperSDK」を1年半以上前に導入して以来、アバランチ上で独自のブロックチェーンを開発するすべての人に最高水準のスケーラビリティを提供することに集中してきたとコメントしました。Vryxのリリースにより、この目標に大きく近づくことができます。

また、Vryxのようなトランザクションを並列処理する仕組みは新しいものではありません。この点についてもO’Grady氏は言及し、例えば、ソラナやAptos、SEIなどのブロックチェーンが既に並列処理を行っていると述べました。

今後の展開

Vryxは初めはHyperSDKで利用可能となりますが、最終的には他のアバランチの仮想マシンにも適用される予定で、最終的にはアバランチのメインネットでも使用できるようになると、O’Grady氏は説明しています。

具体的には、2024年2Q（4月から6月）の中頃に、VryxをHyperSDKのテストネットにローンチする計画があります。

さらに、2月2日にはO’Grady氏がYouTubeでVryxのプレゼンテーションを行うとのことです。

アバランチ（AVAX）とは？

ホワイトペーパー

公式サイト

Avalanche （AVAX）は、レイヤー1ブロックチェーンで、分散型アプリケーションやカスタムブロックチェーンネットワークのプラットフォームとしての役割を果たしています。

これは、Ethereumの競合他社であり、Ethereumをスマートコントラクトで最も人気のあるブロックチェーンから引き離すことを目指しています。

その目標を達成するために、最大で6500取引/秒の高い処理能力を持ちつつ、拡張性を損なわないように設計されています。

Avalancheの特徴的なアーキテクチャがこれを可能にしています。

Avalancheネットワークは、X-Chain、C-Chain、P-Chainの3つの個別ブロックチェーンで構成されており、各チェーンが異なる明確な目的を果たしています。

つまり、イーサリアムキラーのアルトコインの１つでもあります。

このアプローチは、BitcoinやEthereumが全てのノードで全ての取引を検証する方式とは根本的に異なっています。

Avalancheブロックチェーンでは、ユースケースに応じてコンセンサス・メカニズムを柔軟に使い分けることさえ可能です。

2020年のメインネット立ち上げ以降、Avalancheは独自のDAppsとDeFiエコシステムの発展に注力しています。

アバランチは、広範なユースケースに対応するプラットフォームを提供することを目指しています。

既にいくつかのプロジェクトがアバランチと統合され、モジュール構造により他のブロックチェーンとの相互運用性が強化されています。

様々なEthereum基盤のプロジェクト、例えばSushiSwapやTrueUSDなどがAvalancheと統合しており、プラットフォームは独自のエコシステムとEthereum間の相互運用性の向上に取り組んでいます。

現在の筆記時点でのAvalanche（AVAX）の価格は、1 AVAXあたり$32.28 USDです。

過去24時間の取引ボリュームは$537,921,040 USDで、この期間にAvalancheの価格は5.86%上昇しました。

CoinMarketCapによると、Avalancheはランキングで9位で、時価総額は$11,997,026,036 USDです。

AVAXの循環供給量は367,000,735 AVAXで、最大供給量は720,000,000 AVAXです。

Avalancheの総供給量が720,000,000 AVAXで、現在のステーキングは年間11.57%の報酬を提供しています。ステーキングは最低2週間かつ最低2,000 AVAXから可能です。