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仮想通貨市場は不確実性とポテンシャルが輝く世界

日本の実業家で投資家の三崎優太氏の告白: 巨額損失と自己責任、「人生は簡単に狂う」

実業家の三崎優太氏、通称「青汁王子」は、8月15日に自身のX(旧Twitter)を更新し、「人生は簡単に狂ってしまう」とその心境をつづりました。

彼は8月5日の株式市場の大暴落によって、人生のどん底に陥ってしまったことを告白し、ビジネスや投資での失敗や損失は自己責任で対処するしかないという厳しい現実を伝えています。

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前日には、「今、人生の底辺だ」「金もない、家もない、女もいない。何もない」「空が灰色に見える」と自身の状況を語り、8万6130円と表示された預金残高も公開していました。

彼は日本国内で仮想通貨のトレードを行っていることでも知られていますが、以前に投稿した一部のYouTube動画の内容には、これから仮想通貨投資を始めようとしている人々に対して、必ずしも適切とは言えないアドバイスが含まれていたと感じました。

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ここからは、仮想通貨アナリストとして、彼の以前の動画に対する個人的な感想を述べたいと思います。

この動画内では、日本国内で仮想通貨取引を行う際に、ビットフライヤーコインチェックを利用している人たちを「情弱」と呼び、これらの取引所を使い続ける限り大きな利益は得られないと彼は断言していました。

また、彼は「仮想通貨を購入するなら、自分と同じ銘柄を買うべきだ」とも述べています。

しかし、仮想通貨アナリストである私が感じたのは、彼の主張には「視野が狭い部分がある」ということです。

まず、「損をしている」と主張する理由について具体的な説明が不足している点が気になりましたが、おそらく彼が動画内で指摘している「損」とはスプレッドに関するものだとすぐに理解しました。

スプレッドとは、買値(ビッド)と売値(アスク)の差額を指します。

この差が広いと取引コストが高くなり、狭いと取引コストが低くなります。

つまり、スプレッドが狭いほど、取引がより効率的でコストが低くなるため、トレーダーや投資家にとって有利となります。

ビットフライヤーコインチェックのスプレッドについて具体的な数値を示します。

例えば、ビットコインの市場価格が500万円の場合、買値が507万5000円、売値が492万5000円となります。

市場価格が500万円の場合、買値が510万円、売値が490万円となります。

これに対して、ビットバンクのスプレッドは約0.1%と非常に狭いです。

市場価格が500万円の場合、買値が500万5000円、売値が499万5000円となります。

多くの仮想通貨取引所は、このスプレッドを通じて収益を得ています。

特にビットフライヤーコインチェックといった国内の仮想通貨取引所は、スプレッドが広いことで知られています。

そのため、彼は視聴者に対して、手数料が少ないビットバンクを利用することを勧めていました。

ただ、執筆者が反論するとすれば、彼は手数料のみに焦点を当てすぎている点です。

確かに、手数料が高いと投資コストが増加し、流動性が重要な要素となることは事実です。

スプレッドが狭い取引所を選択するのは良いことですが、彼の視点も狭いようです。

多くの人々が投資するトップ銘柄(例えばBTC、ETH、XRPなど)はどの取引所でも取り扱われている一方で、投資したい銘柄は人それぞれ異なります。

仮想通貨市場には、CoinGeckoレポートによれば2024年4月時点で252万2209個のトークンが存在していることが確認されており、取引所によって取り扱う銘柄と数も異なります。

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たとえ取引手数料が多少高くても、自分が投資したい銘柄がある取引所を選ぶ価値は十分にあると言えます。

また、取引手数料だけでなく、入出金手数料やスワップ手数料など、他のコストも考慮する必要があります。これらのコストが高いと、長期的な投資においても影響を受ける可能性があります。

そして、取引所の使いやすさやサポート体制も重要です。

特に初心者にとっては、直感的なインターフェースや充実したサポートがある取引所の方が安心して利用できます。また、取引所のアプリやウェブサイトの使い勝手も考慮するべきポイントです。

取引所の評判やユーザーコミュニティの意見も参考にする必要があります。

SNSやフォーラムでの評判をチェックすることで、実際のユーザーの声を知ることができます。

信頼性の高い取引所は、ユーザーからの評価も高い傾向にあります。

また、リスク分散の観点からも、複数の取引所を利用することが賢明です。

各取引所にはそれぞれの強みやセキュリティ対策があり、万が一ある取引所で問題が発生した場合にも他の取引所で取引を続けられるというメリットがあります。

複数の取引所を利用するメリットについて、具体的なシナリオを示します。

シナリオ1: ある取引所がハッキングされ、全ての資産が凍結された場合でも、他の取引所に資産を分散していれば、全ての資産を失うリスクを回避できます。

シナリオ2: 取引所Aで取り扱っていない新しい有望なトークンが取引所Bで上場された場合、取引所Bを利用することでそのトークンに投資する機会を逃さずに済みます。

仮想通貨市場は、為替や株式市場と違って歴史が浅くまだ成熟していません。

技術的な問題や規制の変更など、予測できないリスクが存在します。

例えば、2022年に発生したFTX取引所の破綻事件は、多くの投資家が資産を失い、仮想通貨市場全体に大きな影響を与えました。

この時、青汁王子氏は経験していたはずです。

彼は2022年12月にレバレッジ取引でビットコインを大量に購入しましたが、その後の暴落により、彼は最終的に約10億円(約670万ドル)の損失を出しました。

この経験について、彼は自身のYouTubeチャンネルで赤裸々に語り、視聴者に対して「絶対に真似しない方がいい」と警告していました。

また、彼は自分が投資に向いていない事も理解しているとも述べていた。

しかし、青汁王子氏のケースでは、投資と投機の違いを理解していないことが問題の一因であった可能性があります。

投資は長期的な視点で資産を増やすためのものであり、リスクを管理しながら安定したリターンを目指します。

一方、投機は短期間で大きな利益を狙うもので、リスクが高く、失敗すると大きな損失を被る可能性があります。

青汁王子氏がレバレッジをかけてビットコインを大量に購入したのは、典型的な投機行動と言えるでしょう。

このような行動には大きなリスクが伴うため、彼が最終的に大きな損失を出したことは、投機の危険性を示す良い例となっています。

彼がこの経験を通じて投資に向いていないと感じたのも、投資と投機を明確に区別していなかったからかもしれません。

したがって、彼に対してのアドバイスとしては、まず投資と投機の違いを明確に理解し、適切なリスク管理を行うことが重要であると学ぶ必要があります。

また、レバレッジ取引などの高リスクな手法を用いる場合は、十分な知識と経験が必要であり、慎重な判断が求められることを強調するべきです。

このような事から、複数の取引所を活用することで、手数料の最適化だけでなく、取り扱う銘柄の種類やセキュリティ、規制の違い、リスク分散など、さまざまな要素を考慮することが重要です。

このアプローチにより、安全で効果的な投資戦略を実現することができるでしょう。