2022年、非代替性トークン（NFT）は大きな注目を集めましたが、その後のパフォーマンスは多くの人々を失望させました。
しかし、今年に入ってから、特に第1四半期には、NFT市場に活気が戻ってきたようです。
Binanceの記事によると、2024年第1四半期のNFT貸出量は過去最高を更新し、前四半期比で43.6%増の21億3000万ドルに達したとのことです。
さらに、8つのブロックチェーンネットワークを通じたNFTの総売上は37.7億ドルに上り、そのうちイーサリアムベースのNFTが14億ドルを占め、全体の37%を担っていると報告されています。
また、分散型アプリケーション（Dapps） やNFT、DeFiに関する総合情報サイトのDappRadarのレポートによると、NFTセクターは2024年も引き続き強い勢いを保っており、第1四半期の取引量は50%増の39億ドル、売上は13%増の1160万ドルに達したとされています。
また、CoinGeckoレポートでは、2024年第1四半期にNFT取引量は47億ドルに達したことがわかっています。
Source: CoinGecko
2023年第4四半期から24.9%増加し、2024年3月のNFT取引量は7億6000万ドルを超えました。
これは、2023年第1四半期以来で最も強い四半期と言えるでしょう。
しかし、2024年第1四半期の活動と需要の復活にもかかわらず、このトレンドは持続しない可能性があります。
ブロックチェーンデータを分析するためのプラットフォームDune Analytics（ドゥーン）データによれば、過去3ヶ月間で、NFTの総取引量は3887万6615ドル（約62億5,428万円）から約650万ドル（約10億4,568万円）へと減少しており、これは約83.2%の減少に相当します。
Source: Dune/NFT
Source: Dune/NFT
この減少の背後には、主に2つの要因があります。
一つ目は、この分野での革新的な提案の不足が、需要を抑制していることです。
つまり、NFT市場では、新しいアイデアや独自性のあるプロジェクトが重要です。
しかし、同じようなプロジェクトや内容が多くなると、投資家やユーザーの関心が薄れてしまいます。
新しい、革新的なNFTが少なくなると、既存の市場に対する需要が減少し、NFT取引量が減少する原因となります。
二つ目は、現実世界資産（RWA: Real World Asset）などの新しい投資オプションの増加により、投資家の関心が伝統的な資産から移行している傾向があります。
最近では、現実世界資産（例えば、不動産や企業株式など）をデジタル化し、それをブロックチェーン上で取引する動きが増えています。
これにより、投資家はNFTよりも安定性や実用性のあるこれらの資産に関心を持つようになります。
NFT市場は特定のデジタルコンテンツやアート作品に対する所有権の取引を主な目的としており、その需要は一時的な流行から来ていることもあります。
したがって、市場の興味が変動することは一般的と言えます。
結果として、NFT市場から他の投資オプションに資金が移動し、取引量が減少する原因となります
また、2024年にはAIトークンの増加が投資家の関心を集めています。
特に、仮想通貨市場においてAIトークンが注目されており、いくつかのAIトークンが市場の回復を牽引しています。
AIトークンが仮想通貨市場をけん引し、NVDAが1ヶ月ぶりの高値を達成 - FIntCrypto
AIの将来の成長可能性を考えると、仮想通貨投資家はAIトークンを選ぶ傾向にあるようです。
このような市場の弱気な状況と上記の要因が組み合わさることで、NFTの取引量はさらに減少する可能性が高いと考えられます。
革新の欠如と投資の多様化がNFT市場の取引量減少に寄与していると言えます。
この状況は、NFT市場にとってさらなる挑戦を意味しています。
