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仮想通貨市場は不確実性とポテンシャルが輝く世界

中東の緊張とテザー社の調査報道により、暗号通貨市場は3億6696万ドルの精算を引き起こす

中東での緊張が高まる中、テザーに関する物議を醸す報道が引き金となり、ビットコインを含む主要な暗号通貨が急激な価格変動を経験しています。

この影響により、特に高レバレッジでポジションを持っていたトレーダーが大きな損失を被り、1日の清算総額は約3億6696万ドルにまで急増しました。

10月25日にウォールストリートジャーナル(WSJ)が報道した記事では、米国のマンハッタンにある弁護士事務所がテザーを調査している可能性を指摘する記事を発表しました。

テザーがFBIの調査対象?CEOがウォールストリートジャーナル報道を否定 - FIntCrypto

連邦捜査局(FBI)が捜査を行い、その結果をマンハッタン連邦検察局が訴追する形で進められているようです。

この報告書では、第三者がテザーのプラットフォームを使って違法な行為(マネーロンダリング等)を行っている可能性があるとの疑いが示されています。

しかし、テザー社のCEOはこれに対し強く反論し、記事を「無謀」であり、「根拠のない主張」に基づいていると批判しました。

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テザー社は公式な調査の確認がないことを強調し、報道が未確認の情報源に依存している点を非難しています。

時価総額が約1200億ドルに達するテザーのUSDTは、業界最大のステーブルコインです。

このニュースを受け、市場には弱気のムードが広がり、ビットコインが3カ月ぶりの高値である70,000ドルの突破を試みる動きが阻止されました。

他の主要な暗号通貨も同様に下落し、ソラナ、イーサリアムアバランチ、バイナンスのBNBはそれぞれ4%以上の損失を記録しました。

執筆時点での上位アルトコインの平均下落率は-2.53%となっています。

さらに、中東情勢の悪化も投資家心理に追い打ちをかけました。

イスラエルが最近のミサイル攻撃に対する報復としてイランへの直接攻撃を発表し、この紛争がさらに拡大して広範な地域紛争に発展する懸念が高まったのです。

イスラエル、イランの軍事標的を空爆-報復攻撃の連鎖で対立拡大 - Bloomberg

もし、イランが再び反撃する場合、さらなるエスカレートが懸念されます。

これらの複合的な要因によって、CoinGlassのデータによれば、過去24時間の総清算額は3億6696万ドルに達し、特に価格上昇を期待していたロングポジションのトレーダーが約3億1700万ドルもの損失を出しました。

一方、ショートポジションのトレーダーも4954万ドルの損失を受ける結果となりました。