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仮想通貨市場は不確実性とポテンシャルが輝く世界

金が史上最高値を更新─市場熱狂の裏でビットコインは下落、資金シフトの兆しか

金(ゴールド)の価格が過去最高値を更新し、10月の上昇ラリーが勢いを増している。

市場データによると、金は1オンスあたり4,380ドルに達し、史上初めて時価総額が30兆ドルを突破した。

持続的なインフレ圧力と世界的な経済不確実性を背景に、安全資産としての需要が急拡大している。

一方で、「デジタルゴールド」と称されるビットコイン(BTC)は、過去24時間で5%超下落し、現在は107,230ドルで取引されている。

投資家心理は一時的に冷え込みを見せているが、多くのアナリストは「金相場の過熱がピークを迎えた後、資金がビットコイン流入する可能性がある」と見ている。

ゴールドラッシュの熱狂、地金ディーラーに長蛇の列

シンガポールの地金販売業者 BullionStar が投稿したバイラル動画では、開店前から店舗前に列を成す個人投資家の姿が確認された。

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この“ゴールドラッシュ”の光景は、シンガポールだけでなく世界各地で再現されている。

オーストラリア・シドニーでは、国内最大級の地金ディーラーABC Bullionの店舗前に、早朝から長蛇の列が形成された。

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現地メディアが公開した写真には、金や銀の購入を待つ人々が列をなし、まるで過去の金融危機時を彷彿とさせる情景が映し出されている。

この旺盛な需要は、金にとどまらず銀(シルバー)市場にも波及している。

業界関係者によると、貴金属への関心は世代を超えて拡大しており、若年層から高齢層まで幅広い投資家が「実物資産の保有」に動いているという。

地政学リスクと通貨不安が、現物資産への実需を一気に押し上げているようだ。

しかし、この熱狂の裏で一部のアナリストは「過熱サイン」を警告している。

テクニカル的には“幸福感の頂点”─1979-1980年相場の再来か

著名な暗号アナリストのミハエル・ヴァン・デ・ポッペ(Michaël van de Poppe)氏は、現在の金チャートが1979〜80年の強気相場終盤に酷似していると指摘する。

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「市場は今、陶酔(Euphoriaの段階にある。FOMO(取り残される恐怖)によって価格は持続不可能な水準まで押し上げられている」と述べた。

暗号アナリストのAsh Crypto氏も、「金は10月29日のFOMC前後にローカルトップを付ける可能性が高い」と予測。

過熱感の高まりを理由に、調整局面への警戒を呼びかけた。

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金の勢い鈍化後、ビットコインに資金流入の可能性

複数のアナリストは、金の上昇がピークを迎えた際、相対的に出遅れているビットコインが次の主役になると見ている。

ポッペ氏は、「過熱した金市場は、相対的に割安なビットコインへの資金シフトを誘発する可能性がある」と分析。

Ash Crypto氏も「数兆ドル規模の資金流入を伴う“次のスーパー・ブルラン”が近い」と述べ、第4四半期にはBTCが15万〜18万ドルに到達するとの強気見通しを示した。

世界のM2急増、流動性が暗号市場に波及か

マクロトレーダーのMerlijn The Trader氏は、世界のM2マネーサプライ(流動性指標)が急増している点に注目する。

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「金の急騰は、この流動性の波と完全に一致している。一方、ビットコインはまだ動いていない。 しかしこの乖離は長くは続かないだろう。流動性は常に“リスク資産”を探す」と述べ、ビットコインのキャッチアップ・ラリーが近いと示唆した。

懐疑派「ビットコインは“デジタル金”にあらず」

一方で、ビットコイン懐疑派として知られる経済学者ピーター・シフ(Peter Schiff)氏は、強気論を一蹴した。

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「金はビットコインの昼食を食べている。BTCは8月高値から金に対して32%下落しており、この弱気相場は残酷なものになるだろう」と発言。

さらに、「ドル離れ(デ・ドル化)は進行しているが、それは非ビットコイン化(De-Bitcoinization)でもある」と述べ、金こそ真の価値の貯蔵手段だと主張した。

今後の焦点─“デジタル金”の逆襲なるか

現時点では、金とビットコインは対照的な値動きを見せている。

市場の関心は今後、ビットコインが金の爆発的ラリーに追随できるのか、あるいは両者のパフォーマンス格差がさらに拡大するのかに集まりつつある。

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