DOLCE & GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)USAが提供する、非代替トークン(NFT)に関する争いが、ニューヨーク南部地区の法廷に持ち込まれました。
ブルームバーグの報道によると、顧客はNFT購入に6,000ドル(約93万円)を支払ったにも関わらず、約束されたデジタル資産の配信に重大な遅延があったと主張しています。
原告の一人であるルーク・ブラウン氏は、購入したNFTによって5,800ドルの損失を被ったと訴えており、同様の経験をした他の購入者を代表して5月16日にマンハッタン連邦裁判所でD&Gに対して訴訟を起こしました。
ドルチェ&ガッバーナは、DGFamily NFTを通じて、購入者に対してデジタル報酬、物理的製品、そして独占イベントへのアクセスを提供すると宣伝していました。
しかし、実際にはNFTの配信が20日間遅れ、さらにはメタバース内での使用が限定されたプラットフォームに制限されていたという事実が明らかになりました。
顧客は、配信されたデジタル衣装が使用できるようになるまでさらに11日間待たされたとも述べており、その遅延はドルチェ&ガッバーナがNFTマーケットプレイスUNXDから必要な承認を事前に得ていなかったためだと指摘しています。
この訴訟は、NFTという新たなデジタル資産の形態がもたらす法的な課題と、消費者保護の観点からの企業の責任について、重要な議論を提起しています。
NFTを巡る、法廷闘争は珍しくはありません。
例えば最近では、エルメスとメイソン・ロスチャイルドの間で、バーキンバッグのNFTに関する法廷闘争がありました。
この件は、エルメスが勝訴し、ロスチャイルドは13万3千ドルの損害賠償を支払うことになりました。
また、米国著作権局と米国特許商標局の調査では、現行の法的枠組みがNFTに適切であり、追加の規制は必要ないと結論付けられました。