中国の警察当局は、成都市を拠点とする地下銀行ネットワークを摘発し、その運営に関与していた193人を逮捕しました。
このネットワークは、人気のあるステーブルコインであるテザー(USDT)を利用して、19億ドルにも上る外貨交換を行っていたとされています。
2021年1月から活動を開始したこの地下組織は、医薬品、化粧品、投資資産などを海外に密輸するためにUSDTを使用していたと報告されています。
中国政府は仮想通貨関連の活動を禁止しているにもかかわらず、地元トレーダーたちは様々な代替手段を用いてこれを回避し、暗号資産を利用し続けています。
ベトナムのベンチャーキャピタル会社Kyros Venturesによる2023年12月のレポートの報告によれば、中国の投資家たちは世界でも有数のステーブルコイン保有者であり、特に33.3%の投資家が大量のステーブルコインを保有していることが明らかになっています。
これは、より高いリスクを取る傾向にあるベトナムの58.6%に次ぐ数値です。
仮想通貨の使用、交換所の利用、ビットコインのマイニング活動が禁止されているにも関わらず、中国の人々は長年にわたりこれらの規制を回避する方法を見つけ出してきました。
この事件は、仮想通貨の規制と実際の利用の間に存在する複雑な相互作用を浮き彫りにしており、中国におけるデジタル資産の未来について新たな議論を呼び起こすことになるでしょう。
地下銀行の摘発は、国際的な金融規制と仮想通貨のセキュリティに関する重要な問題を提起しています。
また、中国の投資家たちがいかにして国の厳格な規制を巧みに回避しているかを示す一例とも言えます。
このような事例は、世界中の規制当局にとって、仮想通貨の監視と管理に関する新たな課題を提示しています。