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仮想通貨市場は不確実性とポテンシャルが輝く世界

市場から1兆ドルが蒸発─BTCは10万ドル攻防戦へ。いま市場が『最も危うく、最もチャンス』な理由

ビットコインは2025年6月以来となる10万ドル割れを記録し、暗号資産市場全体では時価総額が1兆ドル以上消失した。

価格は10月6日の過去最高値から20%下落し、形式的に弱気相場入りした格好だ。

ただ、この下落はファンダメンタルズの悪化ではなく、過去に例のないレバレッジの積み上がりが引き起こした急速な調整という点が重要となる。

実際、市場成長や規制緩和、技術革新が進む一方で、2025年10月10日〜11日にかけて平均30万人超のトレーダーが連日ロスカットされており、10月10日には200億ドル規模の清算イベントが発生。

清算の多くは「ロング(買いポジション)側」で、ショート(売りポジション)より遥かに大きな比率だ。

直近24時間の執筆時点11月5日では総清算額は20.9億ドルに達し、そのうちロング清算が16.8億ドルと全体の約8割を占めています。

Source: CoinGlass

これは、相場下落そのものよりも、ロングポジションの過度な積み上がりが主要因であることを示唆している。

清算件数は 48万7,216件 にのぼり、個別では HTXにおけるBTC-USDTの4,787万ドル規模のロング清算が最大。

単一取引所でこのクラスのロスカットが発生している点は、市場のレバレッジ耐性が限界に達していたことを示している。

Covece Letterも「レバレッジは市場を狂わせる“麻薬”」と指摘し、トランプ発言などのニュースヘッドラインが価格変動性を一段と高めていると分析する。

x.com

ビットコインは現在、主要サポート帯のすぐ上で推移しており、下方向への圧力が明確に強まっている。

特にテクニカル面では、前回のFintCryptoでも指摘した通り23.6%フィボナッチ(113,000〜115,000ドル) が依然として強い抵抗として機能しており、上値を重くする要因になっている。

一方で、下落が進行した場合の焦点は 61.8%フィボナッチに位置する10万ドル付近の主要サポート。

現在の売り優勢のモメンタムを踏まえると、市場は 102,000ドル付近までの“最終的なウォッシュアウト” を試しにいく可能性が高まっている。

日足RSIも30.94と売られ過ぎの領域に突入しており、短期的にはリバウンドが起こりやすい環境が整っているのも事実だ。

つまり、いまの相場は「下への最終調整をこなしつつ、反発の芽も同時に出始めている」非常に繊細な局面とも言える。

今の価格帯は、短期的な投げ売りが決着した後のリバウンドに繋がるか、それとも10万ドルの防衛ラインが崩れて弱気継続となるかを見極める極めて重要な分岐点だ。

このため、今後数日間の値動きが、ビットコインが再び上昇基盤を取り戻すのか、あるいはさらなる調整局面へ移行するのかを決定づけることになる。

CryptoQuantの分析:短期保有者が売り圧力を強める局面

CryptoQuantのアナリストは、短期保有者(STH)の損失売りが増加していると報告した。

Source: CryptoQuant

「本日だけで約30,300 BTCが含み損状態で取引所へ送られている」とし、最近の買い手にストレスが溜まっていることを示した。

STH-SOPRは1付近で推移し続けており、利益確定と損益分岐点での撤退が繰り返される典型的な“弱気の均衡状態”が続いている。

CryptoQuantは「価格が回復し、STHの実現価格(約11万2,500ドル)付近に達すると、即座に売りが出やすい」と分析する。

Binanceデータが示す現在地:売り圧は限定的

また、CryptoQuantのアナリストは続けて、Binanceの取引データを基にした分析では、ビットコインは約10万5,000ドル付近で推移し、移動平均線(MA 112,245ドル)を下回っていると分析。

Source: CryptoQuant

これは、短期的な上昇モメンタムの弱体化を示す一方で、含み損指標は0.06と極めて低い。

これは、

・投資家の大半がまだ深刻な含み損ではない

・大規模なパニック売りは起きていない という意味を持つ。

2022〜2023年に見られた「含み損急増 → 大底形成」の典型パターンと比較すると、現在は次の材料待ちの“調整レンジ”に近い状態だと位置付けられる。

現状、移動平均線を下回る価格帯が短期トレーダー心理を重くしているものの、含み損が限定的であるため、長期保有者(LTH)による大規模な売りは観測されていない。

そのため、価格がMAを明確に上回れば、再度上昇トレンドへ転換する可能性は十分に残されている。

一方で、10万ドル割れが進行すると含み損指標が急上昇し、市場がより深い調整フェーズへ移行するリスクも警戒されている。

Arthur Hayes:次の暗号強気を支えるのは“ステルスQE

一方で、BitMEX元CEOでアナリストのアーサー・ヘイズ氏はブログでの最新エッセイ「Hallelujah」で、次の暗号資産サイクルを駆動するのは、量的緩和QE)の再開ではなく、FRBの「常設レポファシリティ(SRF)」を通じた“隠れたQEだと主張する。

cryptohayes.medium.com

ヘイズの論点は一貫している。

「政府が債務を発行することは、マネーサプライの増加である」

米国は年間約2兆ドルの財政赤字を抱え、その資金調達の多くをヘッジファンドがレポ取引を通じて吸収している。

しかし、この仕組みは安定した資金調達コスト(レポ金利が前提となるため、金利が上限を突破すれば機能不全に陥る。

そこでSRFが“上限のバックストップ”として動き、FRBは実質的に無制限のドル流動性を供給する体制を整えている。ヘイズはこれを「ステルスQEと呼び、

• 表向きは引き締めを維持

• 実際にはレポ経由でドルを供給

• 結果的に市場流動性が増え、リスク資産が押し上げられる

という構造を指摘する。

これが暗号市場に意味するものとは?

ヘイズは次のように結論づける。

「SRFのバランスが増えれば、世界のドル供給量も増える。それはビットコインの強気相場を再燃させる。」

短期的には、

財務省一般勘定(TGA)が高止まり

• 政府閉鎖の影響で民間への資金フロー減少

が市場を冷やしているが、これはむしろ「後の流動性増加」の前兆だと指摘している。

市場はレバレッジ清算フェーズ、次の材料待ちへ

• 過剰レバレッジ解消が主因

• 含み損は極小→パニック売りは限定

• MA回復でトレンド再構築の余地

• 10万ドル割れは調整深化の分岐点

• 中期的には“ステルスQE”が暗号資産を再び押し上げる可能性

現在の市場は、レバレッジ清算流動性の揺り戻しが進む“過渡期”にあり、次の強気相場への準備期間とも言えるかもしれない。

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